liliの雑記帳

月份牌广告に魅せられて上海留学をしている大学生の雑記帳です。主に表象文化論について。

中国の大学のオンライン講義を受けてみた

駅前留学ならぬ在宅留学

 

疫情により、5月から日本の多くの大学でオンライン講義が始まった。

私は昨年から上海に留学していたが、
1月に日本に帰国し、
3月からオンラインにて講義を受けている。
6月で4ヶ月めに突入した。

 

私の大学では、オンラインにて留学を継続するか、留学を中断して復学するかは任意だった。多くの留学が強制的に中断される中、これはありがたいことだったと感じる。

一足先にオンライン講義を受けはじめて早や4ヶ月め、感じたことを記してみる。

オンライン講義ってどういうこと?

 

私の留学先大学では、本来2月下旬から春学期が開講予定だったが、2週間ずれこみ、3月頭から始まった。日本の多くの大学では1ヶ月半ほどずれたのを考えると、わずか数週間でスタートさせられたのは、今思えば驚きだ。決める→受け入れる→実行する、までのプロセスが早い。本当に早い。やるときゃやるのだ

 

大学指定の中国のアプリのアカウントに、自分の登録したコースが表示される。
余談だが、各論文や図書もそのアプリ上で無料で閲覧できる。個人的に「活在当下:365日静心课」という人生訓集が気に入っている。どうも中国語のテキストや書籍、コラムには人生訓が多いような。

 

基本的には、

  1. 録画済み動画を視聴
  2. 事前課題を提出📝
  3. LIVE受講🖥
  4. 事後課題を提出📝

の4本立てである。
それぞれのウエイトは先生毎に異なる。①と②は、ログイン等の時刻が秒単位で記録され(るらしい)、締め切りについては容赦がない(らしい)。

LIVE授業ってどうなの?

 

基本的にはZOOMを使う。「画面共有」により、先生のwordが黒板になる。そのwordは授業後にグループチャットでシェアされるので、板書の必要がなく、耳を傾けることに集中できる。

また、ZOOMとはいえ、私の出席している授業では顔出しナシ・音声のみなので、いろいろな面からみてとても楽だ。

 

ただ、ディスカッションはやはり白熱しづらい。物理的距離感が、少しばかりの沈黙の威力を大きくさせる。

LIVE授業やZOOM等についてはまた別の記事で詳しく書こうと思う。

オンライン化は課題地獄か?

 

巷では、オンライン化により、短縮授業の補習やテストの代わりとして大量のレポートに追われむせび泣くという大学生が多いらしい。
ただ、私の場合は、あまりそう感じない。

 

まず、運営の都合上か、授業時間も科目数も減ってしまったため(学費も大幅に減額された)事前・事後課題が多くなったとはいえ総負担にはそれほど変化はない。それに、引きこもりにつき学業に充てられる時間もより増えたので、むしろウエイトは軽くなったといえる。一つ一つ、よりじっくり取り組む余裕ができた。

 

ただ、やはり日本の大学の友人の話から察するに、通常授業数+課題増加となると、思わずむせび泣いてしまうというのも想像はできる。

オンライン化は 東○予備校化 か?

 

私は東○予備校にはいったことがないのでわからんが、あくまで肝は参加型LIVE講義である以上、単純にそれと化すとは言えないのではないかと思う。

(東○予備校の賛否についてはここでは何も言及していない)

大学も学生も手探り状態

 

前例がないものだから、やはりお互いに手探りでやるしかない。

 

私の留学先大学の場合、最初に2週間、トライアル期間が設けられた。
留学生は試しに受けてみて、もし気に入らなければ中断可能、というものだ。これは柔軟性があって悪くない。

 

そして、講義は、先生と学生がともに改善案を出しながらすすめられる。


「この資料はPDFで配布してほしい」
「このアプリを併用したらよいと思う」
「事前動画ではここが不十分だったから、LIVEでもう一度説明して」
「ZOOMに接続できない学生は、他の学生と電話してその音声をマイクに通させてもらって」

なんてことも。

 

先生も、あの手この手で工夫していたみたいだ。講義内容確認をゲームで行ったり、パワポがだんだんデコレーションされていったり。

今後はどうなる?

 

オンラインの有用性が広く実感された以上、おそらく疫情が収まってもなお、重宝されるだろう。しかし、やはり今のところオンラインならではの”距離感”は否めない。また、通信上の不都合も絶えない。それに、留学に関して言えば、教室外で見聞きしたものにこそ意義を見いだせると感じる。

 

【在宅留学】は、留学と名乗るのには無理がある。もちろん現地や他国からの留学生との交流はあり、【在宅自習】よりは良いとは思うが、やはりせめて【駅前】には行かないと、「留学」と名乗るだけの刺激は得られにくいのかもしれない。

 

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